SUPER GT 第5戦「FUJI GT 300km RACE」決勝 ARTAがダブルでポールトゥーウィンを達成!富士をオレンジ色に染める。

ARTA 左から#8 Honda NSX GT小林、野尻、鈴木亜久里監督、#55 ARTA BMW M6 GT3高木、ウォーキンショー

SUPER GT 第5戦「FUJI GT 300km RACE」の決勝が8月6日(日)静岡県の富士スピードウェイにて開催された。今回、決勝レース前に、“空のF1”と称されるレッドブル・エアレースで活躍する室屋義秀氏による、『YOSHIHIDE MUROYA Special Flight @ FUJI SPEEDWAY Supported by LEXUS』と称するスペシャルイベントも行われた。室屋氏による超低空のスペシャルフライトは、レースと共に会場を沸かせた。

昨日の予選は、ウェイトハンデの軽いチームが有利と予想されていたが、予想されていたチームの失速が目立った。ホンダNSX勢としては今期4回目のポール獲得となり、その速さも実証済みだったため、#8 Honda NSX GT(野尻/小林)のポール獲得は驚く結果ではなかった。対して、予選下位2チーム、14位:#19 WedsSport ADVAN LC500(関口/国本) と15位:#100 RAYBRIG NSX-GT(山本/伊沢) の両チームは、“本命”であったにも関わらず原因不明のトラブルに見舞われてしまったため、決勝前までにその原因を解明出来ていれば、決勝の大逆転も十分に狙える。

#23 MOTUL AUTECH GT-R

他方、2位フロントローに食い込んだ#23 MOTUL AUTECH GT-R(松田/ロニー・クインタレッリ)にとっては、今期不振に悩まされていたため、絶好のチャンスといえる。前戦SUGOでは、同じく新エンジンを搭載した#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R(本山/千代)が2位表彰台を確保しており、そのエンジンの性能については確証済。クインタレッリ自身も高評価しており、昨年第2戦以来の表彰台を是が非でも獲得したいところ。また、もしウェイトが重いLEXUS LC500勢が優勝すれば、SUPER GT史上初となる5連勝となるが、どのチームが表彰台トップを獲得するのか予想が全くつかず、今期最も注目のレースの一つとなった。

#8 Honda NSX GT

GT500:レースは、天候:晴れ(気温:29℃、路面温度:36℃)と夏らしい気候の下、スタートが切られた。レースは、“三度目の正直”の有言実行を果たし#8 Honda NSX GT(野尻/小林)が優勝を果たした。昨日は、ホンダ創業者 本田宗一郎氏の命日だったとのことで、命日当日には予選でポールを獲得。翌日にはポールトゥーウィンを獲得し、ホンダファンにとっても記憶に残るレースとなった。その後ろでは、レース終盤まで、#23 MOTUL AUTECH GT-R(松田/ロニー・クインタレッリ) と、#38 ZENT CERUMO LC500(立川/石浦)による、激しい2位争いが繰り広げられる。#38 石浦は、#23 松田を毎周、テールトウーノーズに持ち込みつつ追うが、富士特有の長いストレートで、GT-Rに一歩及ばず#23に軍配が上がった。

# 4 グッドスマイル 初音ミクAMG

GT300:今回も大接近戦が繰り広げられた。スタート直後1コーナーで#3 B-MAX NDDP GT-R(星野/高星)は接触により、コースアウトし、無念のリタイアとなった。この接触により#65 LEON CVSTOS AMG(黒澤/蒲生)にペナルティが与えられている。この後も、若干の混乱もある中で、ポールスタートの#55 ARTA BMW M6 GT3(高木/S.ウォーキンショー)は安定してレースを引っ張り、トップを死守しチェッカーを受けた。2位は、#4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口/片岡)、3位は、念願の表彰台#31 TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨/久保)となった。

#55 ARTA BMW M6 GT3

チームとしては、ARTAがダブルでポールトゥーウィンを達成し、富士はオレンジ色に染まった。

次戦SUPER GT 第6戦「鈴鹿1000km」は、3週間後の8月26日(土)、27日(日)鈴鹿サーキットにて開催される。夏の風物詩となった、鈴鹿1000kmは来年から単独イベントの10時間レースにリニューアルされるため、1000kmとしての、そしてSUPER GTのシリーズ戦としての開催は今年が最後となる。また、参戦ドライバーも更に豪華なラインナップとなっている。2009年F1ワールドチャンピオンのジェンソン・バトンや、小林可夢偉のスポット参戦が決まっており、ファンにとっては3週間後が待ちきれない。