F1コラム 6月19日

今バスチャン・ベッテル(Sebastian Vettel)が開幕戦からチャンピオンシップをリードしている。しかしルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)の差は僅かに12ポイントだ。昨年は同じポイントでニコロズ・ベルグ(Nico Rosberg)がチャンピオンシップをリードし、彼自身初のワールドチャンピオンを獲得した。今年、英国人ドライバーはチームメイトとのチャンピオンシップを戦っていない。今回のライバルはフェラーリチームだ。今年とは異なり、マラネッロ(Maranello=フェラーリの本拠地)のチームは昨年、レッドブル・チームと準優勝を争った。私たちはハミルトンがドライバーズチャンピオンシップでリードを縮める事ができるか静観しなければならない。ハミルトンは開幕から追いすがるフェラーリを引き離す為にポイントを獲得しなければならない。

今のところ、メルセデスとフェラーリだけがレースに勝つ事ができた。残りのチームは勝利できるほど強くないように見える。しかし、最大の問題を抱えているチームはマクレーレンだ。チームはコンストラクターズチャンピオンシップで最下位だ。チームの歴史上、最悪となるシーズン開始以降、未だポイントを獲得していない。

マクレーレンのエンジン・パートナーとの忍耐は尽きている。しかしチームの迷走はこれだけではない。スポンサーが離れていく。状況はかなり複雑だ。ホンダとの契約解除を決定したら、ホンダが提供する巨額の財政的貢献を失うだけでなく、クライアント・チームにならなければならない。彼らの優位な地位とそれ以上のものを失うだろう。彼らはフェラーリ、メルセデス、ルノーの様に自社でエンジンを製造しているチームに比べて不利になるだろう。ワールドチャンピオンシップで戦う事は困難だ。

ザウバー(Sauber)はこれについて、どのように思っているのだろう?来シーズン、ザウバー・チームはホンダ ・エンジンを使用する。今のところ、チームはコンストラクターズチャンピオンシップを4ポイントで最後から2番目だ。しかし最後から2番目にも関わらず、最下位のマクラーレンより未だましだ。ザウバー・チームの代表、モニシャ・カルテンボーン(Monisha Kaltenborn) ホンダの能力向上に頼っている。彼女は2チーム体制になる事はホンダにとって有益であると信じている。エンジン開発の為に、より多くの実走行に加え、データをもっと収集できるからだ。これは全て、マクラーレン・チームとホンダ・ブランド間の決裂の噂が真実ではないと仮定している。何人かは、チームが既にメルセデス・エンジンを使用する事に同意していると言う事を敢えて話しているからだ。

フォーミュラ1のボス、チェイス・キャリー(Chase Carey)とジャン・トッド(Jean Todt)は、今週末、最も有名な24時間耐久レースをル・マンで楽しむだけでなく、フォーミュラ1の為に他のチームをテストする。トヨタとポルシェのようなチームは、条件が彼らにとって興味深い場合、F1への復帰を考慮する事ができる。ザク・ブラウン(Zak Brown=マクラーレン代表)もル・マンへ行く決心をした。マクラーレン用のニュー・エンジン又はル・マンでのアロンソ(Alonso)のシートを探すのかもしれない。スペイン人ドライバーが今年チームを去る恐れが増している事から 、ブラウンはル・マンでフェルナンドへシートを提供する事が彼をチームに留まらせる理由の1つである事を知っているのかもしれない。