アボット/ゲーツ組が雨の鈴鹿を制し、Taiwan Top SpeedもGT4の勝利を手にする
> GruppeM Racingの2人はOD Racingのパンクに助けられる
> チョウとチャンはGT4、安定の勝利
GruppeM Racingのハンター・アボット選手とマクシー・ゲーツ選手が鈴鹿で開催されたBlancpain GT Series Asia第2レースに、14番手から猛攻をかけたVincenzo Sospiri Racingのサンディー・ストゥーヴィック選手とニコラス・コスタ選手に7秒の差をつけて勝利し、3位には J-Fly by Absolute Racingのジェフリー・リー選手とアレッシオ・ピカリエロ選手が入った。
盛りだくさんの内容だったGT4を制したのは、Taiwan Top Speedのジョージ・チョウ選手とケオ・チャン選手で、HubAuto Racingのペナルティーに乗じて、昨日の2位に続き、みごと優勝を果たした。
GT3: GRUPPEMが鈴鹿第2戦を制す
今日のレースは、昨日、最終ラップの接触で表彰台圏内から7位にポジションを落としてしまったGruppeM’s #999 メルセデスAMGのクルーにとって、まさに捲土重来の機会となった。イギリス人とドイツ人のペアは、それぞれのスティントをミスなくこなし、チャンスを自らのものとした。
スタートのやり直しから始まったレースも、ほとんどの車両がスリックタイヤだったが、徐々に雨足は強くなっていった。5番手スタートだったゲーツは、不安定だったグリップの中、完ぺきに近いドライビングで2つポジションを上げたが、マッシミリアノ・ワイザーのWiser’s Spirit of Race フェラーリがS字のタイヤ・ウォールが刺さり、セーフティーカーが導入される展開になってしまった。
その後、フルコース・イエローも導入され、解除の後もコンディションが悪化する中、マーティン・ランプ選手のアウディは苦労を強いられた。スタートから20分ほどは、ほぼコーション中となってしまい、ちゃんとしたレースをすることがなかなかできずにいたが、ようやくレースになると、ゲーツはチャージを続け、ミッチ・ギルバート選手のOD Racingアウディのすぐ後ろにつけることができた。
その後、1コーナーでのランオフで一瞬肝を冷やしたポール・シッターのピカリエロに照準を合わせた。ペアはピット・ウィンドウ・オープンでJ-Fly by Absolute Racingがすぐにレイン・タイヤへの交換を図るまで、テイル・トゥ・ノーズを続けた。GruppeM’のメルセデスAMGもそれに続き、同じアマチュアのジェフリー・リー選手の前に出ることができた.
早々にピットストップを済ませたOD Racingはミッチェルのパートナー、アディティヤ・パテル選手にも活躍の道を開き、シルバー・グレード・ドライバーはまもなく、リーとアボットの前に出た。ところが。リードを広げながらも、ストレートでタイヤがブロウする不運に見舞われ、チームの挑戦はそこで終わってしまった。
それによって、アボットはリーに4秒のリードをキープし、2番手のティム・サグデン選手のGruppeM メルセデスAMGはチーム・メイトのジュールズ・シムコウィアック選手の驚速の第1スティントの走行のおかげもあって、13番手から4番手まで順位をあげることになった。
最も大きく順位を上げたのは、後方ながらVincenzo Sospiri RacingのSilver Cupチーム、サンディー・ストゥーヴィック選手とニコラス・コスタ選手だった。特に後者は、初めてのGT3レースながら、14番手スタートからタイ人のパートナーに交代するころには7番手に上がっていた。ランボルギーニ・ウラカンは雨天に強く、ストゥーヴィックは果敢に上位勢への挑戦を続けた。雨が強くなる中、1周の間にサグデンとリーの二人を追い抜いたが、アボットには到底追いつけなかった。
表彰台最後のスポットを確保したのはリーで、ダリル・オーヤング選手のCraft-Bamboo Racingポルシェとエイダン・リード選手のFFF Racing Team by ACMのランボルギーニが相手にバトルを繰り広げた。2台ともサグデンを抜き、Spirit of Raceのフランシスコ・グエデス選手の直前でゴールを迎えた。
Craft-Bambooの2台目のポルシェはで昨日のレース2位のなり、今日もトップ5圏内をキープするかと思われたが、サクセス・ペナルティでピットストップが7秒延長されたこともあり、後方に沈んだ。ニック・フォスター選手とデヴォン・モデル選手はそれでも、予定外の早いピットストップを強いられたアウディR8 LMS Cupからエントリーのアレックス・アウ選手とアレックス・ユーン選手の前、8位でレースを終えた。
アマチュア・カップは再び、X-One Motorsportsのアンドリュー・ハリアント選手とサムソン・チャン選手に渡った。彼らのランボルギーニは見事、総合10位、クラスのライバルであるグレッグ・テオ・ビー・タット選手とデヴィッド・ティポビアントロ選手(T2 Motorsports)に23秒差をつけた。FFF Racing Team by ACMのジュウ・ジュンハン選手とリン・ユエ選手のコンビも表彰台フィニッシュとなった。
Audi Hong Kongのマーチー・リー選手とショーン・トン選手は昨日のレースでの勝利でチャンピオン争いのリードを広げたが、総合14位のフィニッシュと、今日は奮わずに終わった。序盤、トンは5番手で走行したが、FCYの時に後方に沈み、R8 LMS GT3 が1コーナーのグラベルに沈んだことで終わりを告げてしまった。
苦戦を強いられた日本勢だったが、ARNレーシングの佐々木孝太選手は、序盤での他車のアクシデントの余波を受けて早々に戦線を離脱してしまったが、本日のレースを通し、2分15.798秒とファステストラップを記録した。
GT4: ペナルティーと迅速な第2スティントによって、チョウ/チャン組が勝利を手に。
Taiwan Top Speed Racingのジョージ・チョウ選手とケオ・チャン選手は、昨日残り1周半で勝利を逃したが、今日の勝利で見事に取り返した。
Craft-Bamboo Racingのフランク・ユー選手はポールからリードを続け、ピット・ウィンドウ・オープンの終わりぎりぎりまで残る戦略をとった。しかし、10秒のサクセス・ペナルティのせいでジャン・マルク・マーリン選手は4番手に落ち、ピットレーンの速度違反によるドライブスルー・ペナルティもあって、勝利を逃す展開となった。
EKS Motorsportsのエリック・ロー選手はオープニング・スティントの間、ずっとユーをピッタリマークしていたが、ドライバー交代が済んだ後にトップをとったのはHubAuto Racingのポルシェだった。だが、ピットストップ時間の違反によるペナルティーで、リンゴ・チョン選手と井田雅彦選手はドライブスルーとなり、ローのパートナー、バイロン・トンのリードを有利にしてしまった。
それでもチョウのTaiwan Top Speed Racing Cayman GT4 Clubsport MRの猛攻は止めようもなく、最悪の天候の下、目覚ましい最終スティントによって勝利を奪い取るに至った。
Blancpain GT Series Asiaは2か月後、第7戦と第8戦が富士スピードウェイで行われる
ドライバーのコメント
ハンター・アボット #999 GruppeM Racing Mercedes-AMG GT3: 「僕はウェットでメルセデスAMGを走らせたことがあったので、アウトラップは慎重にいったんだ。クルマはすばらしく良くて、特に、なんの練習もなくウェットタイヤを履いたにしては、上出来だったと思うよ。鈴鹿は伝統あるサーキットなので、そこで勝利をおさめる、ということは本当に特別な気持ちになるよ。
サンディー・ストゥーヴィック #66 Vincenzo Sospiri Racing Lamborghini Huracan GT3: 「僕たちのランボルギーニはウェットでも行ける、とわかってたので、出てすぐはとにかくプッシュできるだけ、プッシュしようと思った。何台か抜けると思ってたし、実際、抜くことができたんだけど、最終ラップまで、何番手にいるのか、わからないままだったんだ。とにかく、プッシュすることだけを考えてて、自分のスティント中、タイヤが終わっちゃったんだけどね。幸い、雨が多くなってきて、それに助けられたよ。
ジェフリー・リー #7 J-Fly by Absolute Racing Audi R8 LMS GT3: 「僕のタイヤは最後の方は終わってたけど、とにかくプロ/アマ・クラスの2位を絶対に守ろうと思ってたんだ。最後の方はトラフィックがすごかったけど、そのおかげで後方を抑え込むことができたんだ。僕らのペースはずっと安定してたし、またプロ/アマ・クラスの表彰台に立つことができてよかった。今年の目標はそこだからね。
ケオ・チャン #17 Taiwan Top Speed Racing Porsche Cayman GT4 Clubsport MR: 「正直、スタートはうまくできなかった。でも濡れたコンディションはトリッキーで、とにかく安全にピットストップまではクルマを持たせることが第一目標だった。僕はジョージ(・チョウ)が乗る前の「温め役」だったからさ。彼の第2スティントは素晴らしかったし、荒れたコンディションも彼には合ってたみたいだ。89号車のペナルティーがなくても、ジョージなら追いつくことができたと思うよ。