初日
灰色の倉庫に囲まれたモデナのどこかの工業地帯。ここは鈍い色のオフィスビルと小麦畑が同居する、ここ20年間で最も息を飲む、車を作り上げるための芸術と科学の融合地だ。勿論これはパガーニのホームタウンだ。
私の人生の中でお気に入りの車、パガーニが大好きである事を認めなければならない。そんな訳で、年次集会及びイタリア全域で実施される第13回ラリーに参加する事は大きな特権と喜びであった。4日間を通して車は北イタリアの最も美しい風景の中を走り抜ける。それは彼らの最先端施設から始まった。
初日は工場内の新しいパガーニ博物館の開館式とグランドオープニングだった。若干のまごつきがあったが、最終的にはコーヒーブレイクをしながら工場から5時間かけホテルに向かった。
我々は全ての男性の夢を乗せた車達が工場を出たとき、このラリーに参加する全ての車を初めて見た。車列はオラチオ・パガーニの最新作であるウアイラ ロードスターを先頭に12台程の顧客車が続いた。
今年は3台の新しいウアイラBC, 5台のウアイラ、そして5台のゾンダが参加した。サポート車両として、例えばケーニグセグ・アゲーラXS(青のBCのオーナーでもある)、アストンマーチンDB11, ランボルニーギ・ウラカン、フェラーリ488、フェラーリ458、フェラーリ・カリフォルニア、ベントレー・コンチネンタルGTのクルーとサポート車両が加わった。
イタリアの旅はドラマ無しでは語れない。すでに10分後に我々は車を失った。ファクトリーの銀色のウアイラBCは若干の技術的な問題を起こし車列を停止させた。我々は隊列の後ろにいたので目撃できなかったが、それを目撃した人々によると、後ろから多くの煙が出ていたとの事だ。その後、我々は銀のBCを見る事はなかった。
ラリーの残りはホテルへと続く。初日の大部分のドライブは高速道路だった。最初の料金所の直後に隊列が乱れた。激しい渋滞が隊列を混乱させた。そして混乱のサインは隊列を分断し、各車はまちまちに進んだ。
工場から、車はフィレンツェに向かって南に向かうことになっていたが、何台かの車はミラノに向かって北へ向かっていた。 正しい方向に行った車は高速道路を降り、リコッサ・パスとフサ・パス経てアペニン ・ツアーに参加し、コーヒーブレイクへ向かった。
走行ルートには映画に出てきそうな典型的なイタリアの美しい風景の山岳道路があった。しかし、1車線で初老の低速ドライバーや大きなトラックが、初日のドライブの楽しみを妨げてしまった。
我々は全ての車が美しく並ぶコーヒー・ブレイクにたどり着いた。ラリーの残りを前もって示し、パガーニ以外の車はゲートでガードされた駐車場への入る事が許可されていなかった。しかし、駐車場は湖を見下ろす絵のような場所だった。
それが終わると、車はフィレンツェの南にあるカステッロ・デル・ネロのホテルに向かった。 ホテルへのドライブは主に高速道路の運転で構成されていた。ホテルに到着したばかりの太陽は暖かいオレンジでピンクの空を残していた。 それは2017年のパガーニ・ラリー初日の終了に相応しい美しいものだった。
ライター:ケン サイトウ