パガーニ・ゾンダでのトスカナ・ツーリング – パガーニ・ラリー 2017 ④

最終日は午前4時30分に始まった。 パガーニ・ゾンダ Fantasma Evoとパガーニ・ウアイラ “Kingtasma”のオーナーは、我々と一緒に日の出の写真を撮ることに親切に同意した。 ゾンダ Fantasmaはもともと昨年のラリーでデビュー、クラッシュしたオレンジのゾンダ Fで、ダークレッドのゾンダ760として復活した。


昨年のラリーでいくつかの問題が発生した後、所有者はパガーニに今まで以上のアップグレードを加えるよう依頼した。 この変更には、800hpまでのパワーアップ、炭素繊維とチタンの大胆な使用による軽量化、マニュアルギアボックス、クロムの代わりにブラックメタリックの塗装が含まれる。 最終的にはこれまでに作られた最も美しい車の1台となった。

ウアイラ  BC “Kingtasma”は、オリジナルのゾンダ Fantasamaからインスピレーションを受けている。それ故、同系統のカラーリングだ。 同じラリーでこれらの2台を一緒に見ることは素晴らしいことだったので、2台を一緒に撮影する絶好の機会だった。

トスカーナの丘の上を太陽が上がると丘の上に車が集合した。 ワンショット撮り、私は今まで見た中で最もイタリアらしい町並みを経由してホテルへ戻った。 幸いにも我々がそこに着いた午前6時ごろは皆まだ眠っていて、すばらしい撮影スポットを作っていた。 彼らは眠っていた、つまり、ゾンダが生き返るまで眠っていたのだ。

一度車がホテルに戻ったら、工場に戻る時間まで数時間しかなかった。最終日は、おそらくランチ・ストップを経てボローニャの工場へ高速道路での速いドライブとなった。ランチ・ストップへ向かう前に立ち寄ったガソリンスタンドは13台のパガーニ、3台のフェラーリ、ランボルギーニ・ウラカンと1ダースのクルーとサポート車で満車となり、混乱するのは確実だ。

本当に起こった事だ。ラリーの隊列が停車したので当惑した地元イタリアのガソリンスタンドスタッフは畏怖と好奇心で、おんぼろのフィアット・パンダへの給油の手を止めてしまった。隣のカフェのスタッフが仕事を放棄して外へ出て、カメラ付き携帯電話を手に隊列を見入っていた。

これらの車がいろいろな町、村と都市を走り去るのを見た人々の一般的な反応を見ることは、このラリーを一層特別なものにした。自動車の世界の有名な名前で、モデナのアイコンであることにも関わらず、多くの人々は、このような不思議な車が何であるか全く分からなかった。多くの人々はエンブレムを見たり、単に写真を何枚も撮りながら尋ねるだけだった。

これは我々が隊列を一緒に見る最後の時だ。彼らは高速道路経由でランチ・ストップを取ると別れを告げる。我々は真っ直ぐ工場に向かう事に決めた。この様にパガーニ、彼らの顧客、友人、スタッフと過ごしたトスカーナでの4日間の冒険は終わりを告げた。

それは私の想像を超えた壮大な冒険の1つだった。風景、食べ物、人々、そして勿論ロマンチックで美しいイタリアは忘れられない経験だ。感謝したい。ありがとう、パガーニ、全てを可能にした人々、そしてイタリア。

ライター:ケン サイトウ