アボットとビュークがレース2を疾走し、ウェン・スンと ウィーが富士の GT4を2連覇

> マストロナルディとアグアスはGruppeM Mercedes-AMGから5。1秒遅れのフィニッシュ
> Clearwater RacingがGT4 で2戦連続ポール・トゥ・ウィン

GruppeM Racingのペア、ビュークとハンター・アボットがピットストップ・サクセス・ペナルティを乗り越え、今週末富士スピードウェイで開催されたBlancpain GT Series Asiaの第2レースを制し、チャンピオンシップのリードを広げた。Clearwater Racingのモック・ウェン・スンとリチャード・ウィーはGT4での圧倒的な勝利を飾った。

リノ・マストロナルディは、ラスト2周でマーチー・リーを抜きAudi Hong Kongの前に出、Spirit of Raceのチーム・メイト、ルイ・アグアスのカムバックを飾り、ショーン・トンの健闘はシルバー・カップの優勝につながった。

GT3: GRUPPEM のペアが破竹の勢い

#999 Mercedes-AMGは2番手スタートながら、スタート直後、34台のマシンが1コーナーを回っていった時には先頭に出ていた。ビュークはその後、冷えたタイヤを温めながらオープニング・ラップを走行し、望む温度に上がったのを見て、速度を上げていった。

ポール・シッターのマックス・ワイザーは当初安定して走行をしていたが、やがてそのミラーには、Spirit of Race Ferrariの背後に張り付いて離れなかったアレックス・ユーンのAudiが大きく映るようになっていた。ユーンは1コーナーで2番手につけたものの、ブレーキング・ミスで3番手に落ち、アグアスの追い上げもあってスティント終了時には4番手となっていた。

アグアスはスタートからの約30分、見事な走りっぷりだった。1周目に11番手ながら、徐々に順位を上げ、ユーン、そして同じチームのワイザーをあっさり抜き、ピットウィンド・オープンを迎えた。

ビュークのFerrariとの差は、ウィンドーが閉じる直前のピットイン前には11秒と広がった。土曜日のレースで加算された5秒のペナルティを消化するには十分なギャップで、アボットは7秒差を残したまま、レースに復帰した。

ビュークの1週前にピットストップしたアグアスは、停止時間が長く、マストロナルディは一時、迅速なピットストップで切り抜けた同じチームのジアン・シンやマーチー・リーの後方4番手に 落ちた、だが、ジアンはやがて、ほぼ20分間にわたって鍔迫り合いを繰り広げたAudiとFerrariの後方に沈むことになった。

アボットのリードは5秒から7秒と安定せず、追走するペアは1車身以上離れることなく、マストロナルディはリーのスリップについてストレートから1コーナーに入って行った。レース時間残り2分となって、マストロナルディはT13でインにつき、2位を確保した。

永井宏明と佐々木孝太は昨日のパンクチャ―のトラブルを取り返し、ARN Racing Ferrariで総合4位に入った。佐々木は4番手スタートから前半のほとんどを6番手で走り、永井に交代した時は7番手だった。その後果敢に追い上げ、ティム・サグデン、アレックス・アウそしてジアン・シンを抜いてチェッカー・フラッグを受けた。

ジアン・シンはSpirit of Raceの2台目のFerrariで5位、サグデンと GruppeMのパートナーで6番手でピットインしたジュールズ・シムコウィアックの前でフィニッシュ。D’Station Racing Porscheの星野敏と荒聖治は10番手からスタートして7位でフィニッシュした。

OD Racingの Audiを駆るアディティヤ・パテルとミッチ・ギルバートはスタートから数ポジションあげ、8位フィニッシュ。一方でジェフリー・リーとアレッシオ・ピカリエロはギアボックスの故障で早々に戦線を離脱した。

ユーンとAudi R8 LMS Cupのパートナー、アウは4番手でのピットストップの後、9位に順位を落とし、日本からスポット参戦のPorsche Team EBI 991 GT3 Rの山野直也と坂本祐也とで、トップ10が完成した。

X-One Motorsportsのアンドリュー・ハリアントはCMRT Eurasiaの ケネス・リムとジェイムス・カイを破って2戦でGT3アマチュア・カップ2連勝、デヴィッド・ティプトビアントロとグレッグ・テオ・ビー・タットのT2 Motorsports Ferrariとでクラス表彰に臨んだ。

今週末の結果、アボットは単独で選手権のリードをリー とショーン・トンから33ポイントとした。またプロアマのランキングではアグアスに75ポイント差をつけている。一方、シルバー・カップ勢ではリーとショーン・トンはパテルとギルバートに37ポイント差、テオ・ビー・タットとティプトビアントロは竹田直人、白坂卓也組を抜いてアマクラスのトップに躍り出た。

GT4: CLEARWATER のMcLAREN が完璧なクラス・デビューを飾る

2つのポール・ポジションと2つの勝利。Clearwater Racing とMcLarenの Blancpain GT Series AsiaでのGT4デビューは実に目覚ましいものとなった。

今回、ポールからスタートのモック・ウェン・スンは、ピットウィンドー前に30秒近いリードを築いた。パートナーのリチャード・ウィーに交代すると、ファステストラップを記録しながら、570Sの アジア・デビューを常勝で飾った。

GT4クラス内のPorsche同士の熾烈なバトルはレースを通して続いた。EKS Motorsportsのエリック・ローはCraft-Bambooのジャン・マルク・マーリンとリンゴ・チョン(HubAuto Racing)からのプレッシャーを受けながら、自身のスティント中2番手を維持した。しかし、ドライバーの交代後、チョンのパートナー、ザン・カンはフランク・ユーとバイロン・トンの両者を抜き、順位を下げてレースを終えた。

ユーは、Craft-Bamboo チームに、ライバルのEKSから3ポイントのリードをもたらしたトンを抜いて、最後の表彰台のポジションを獲得した。

9月23、24日。上海の F1 circuitは2017年の Blancpain GT Series Asiaの第9戦、10戦の舞台となる。

富士の2戦の模様は選手権のFacebookページ、またSROの GT World Youtubeチャンネルで見ることができる。

ドライバー・コメント

ハンター・アボット  #999 GruppeM Racing Mercedes-AMG GT3:「マキシー [・ビューク] がいいポジションでクルマを渡してくれたから、僕の仕事は集中力を絶やさないこと、ブレーキングを間違えないでちゃんと最後まで走ることだった。トラフィックもそれほどじゃなかったし、それは富士のようなコースではなかなか珍しいことだと思った。正直、ほぼ完ぺきなレースだったし、頑張ってくれたマキシーとチームに本当に感謝している。2週間前に娘が生まれたところなので、この勝利は彼女に捧げたいと思う」。

モック・ウェン・スン #12 Clearwater Racing McLaren 570S GT4: 「僕たちにとっては最高の終末だった。McLarenは今週届いたばかりでも、そのままで全然走れていたので、ロクにセットアップもできなかったし、あるものでやるしかなかったけれど、それで十分だった。リッチー[・ウィー] も僕もすぐにクルマに慣れたし、元々富士はイケると思っていたので、今回は全てが思い通りだした。2勝、2ポールなんて、これ以上何を望めばいいんだい?」

永井宏明 #28 ARN Racing Ferrari 488 GT3: 「前日のレースでは高ポジションで走っていたところ、トラブルで順位を下げるという残念な結果となってしまいました。今日はグリッド位置も良かったので、あわよくば優勝を狙っていました。佐々木選手から交代して、ポジションを2つ上げ、総合4位。プロアマ・クラスでは3位で表彰台に上がることができたので、良かったと思います。