2017 スペインGP フリー走行

「明日はいい走りができるよう全力を尽くします」 

フリー走行を終えたマクラーレン・ホンダから様々な意見を上がった。

バルセロナ・カタルニア・サーキット  5月12日(金)

今週末に母国グランプリを迎えるフェルナンド・アロンソにとって、本日のフリー走行は難しいスタートとなりました。 FP1 ではエンジンの不具合が発生し、ガレージを出たあとの 1 周目のラップで、マシンを 2 コーナーで止めざるを得えませ んでした。その後、チームはパワーユニット(PU)を交換することを選択。FP2 開始後すぐにアロンソを再びコース上に送り出すために、メカニックのメンバーは非常に精力的に作業を行いました。アロンソは 21 周を走行したものの、リズムがつかめず、20番手のタイムで今日のプラクティスを終えました。
一方、もう一方のガレージでは、ストフェル・バンドーンが実りの多い一日を過ごしました。FP1 では、新しい空力パーツの評価を実施。予定していたセットアップ変更を行ったことで、中断を挟んだものの、午前中は 24 周を走行し、13 番手のタイムにつけました。FP2 では、ロングラン、および燃料を多く搭載した状態での走行に焦点を当てました。コース上に散乱したパーツの破片を除去するために赤旗が出され、セッションが一時中断したものの、バンドーンはトラブルもなく36 周を走行し、午後も再び13番手となりました。 

フェルナンド・アロンソ
#FA14
MCL32-03
FP1 タイムなし                                                  1周              ―
FP2 1分24.077秒(トップとの差 +3.275秒)          21周             20番手

「1 回目のフリー走行では、エンジンの不具合によって全く走行できなかったので、当然のことながら、週末に向けて理想的なスタートを切ったとは言えません。ただ少なくとも、その代わりにトレーニングをすることができました。次の出番までに 2 時間あると聞いたので時間を有効に使うことにしました。ここ数週間はインディへの挑戦のためにアメリカへの往復などがありトレーニングの時間がほとんど取れなかったのですが、身体を鍛えて100%準備しておきたかったのです。
午後のセッションでは、いい走りを見せることことができませんでした。これは新しいPUを搭載した際には、エンジンの調整を行う必要があるためです。最初の数周は、出力が少し不安定でした。結局、時間がなくなったので、調整がまだ全部終わっていない状態で、新品のタイヤを装着しました。セッション終了前には燃料を多く積んで、ほかのドライバーと同様の条件で走行しました。そのときのラップタイムはおおむね予想通りであり、レースでの直接のライバルに近いタイムでした。明日すべてをまとめれば、多少は競争力のある位置につけられるはずだと考えています。ライバルチームに近づけるよう願っています」

ストフェル・バンドーン
#SV2
MCL32-01
FP1  1分24.400秒(トップとの差 +2.879秒)      24周 13番手
FP2  1分22.693秒(トップとの差 +1.891秒)        36周 13番手 

「今日はこれまでで最もいい金曜日の1つでした。大きな問題もなくフリー走行を終えたのは、今シーズンで初めてです。 今日は大きなトラブルもなく走行プログラムを消化できたので、よかったです。
私の方はすべてスムーズに進みましたが、フェルナンドにとっては少し難しいなセッションとなりました。残念ながら彼はFP1で走行するチャンスを逃し、FP2でも多くの周回を重ねることはできませんでした。信頼性の問題は、今も我々が早急 に解決しなければならない大きな問題の一つです。
今回のレースに向けて、アップデートをいくつか持ち込みました。それぞれを判断することは難しいものの、今のところ、すべてがほぼ予想通りの効果を発揮しています。今日の結果を正しく理解するために、今夜、膨大なデータを分析します。明日、更にセッティングを進め、マシンの実力をさらに引き出せるようにしたいと思っています」

エリック・ブーリエ
McLaren-Honda Racing Director

「当然のことながら、今日はあまりいい一日ではありませんでした。特にここスペインのヒーローであるフェルナンドにとっては難しい一日となりました。オイル漏れによって十分な走行ができませんでしたが、不具合の原因は、現在調査中で す。ただ、ストフェルはトラブルもなく一日を終えました。その結果、FP1 と FP2 でそこその周回を重ね、両セッションで 13 番手につけました。
もちろん、金曜日のラップタイムは、パフォーマンス面でのライバルとの差を正確に測るバロメーターにはなりません。それでも、明日の FP3 と予選に向けて必要な分析を行うためのデータが十分に収集できたことはよかったです」

長谷川 祐介
(株)本田技術研究所 主席研究員 F1プロジェクト総責任者

「フェルナンドにとってのホームグランプリ初日は、残念ながら厳しい結果となってしまいました。FP1 でガレージを出てすぐに、PU にメカニカルな問題が発生し、それによって引き起こされたオイル漏れのためにマシンをトラック上に止める ことになりました。FP2 に間に合わせるために PU の交換を決断しましたが、まだ原因については分析を進めている最中です。ただ、そのような状況でもチームは FP2 での彼の走行時間を少しでも長くし、明日に向けたデータを集めるために最大限の努力をしてくれました。
一方で今日のストフェルは合計で 60 周を走りきることが出来ました。彼は予定通りにプログラムを消化しましたし、今回 PU に導入した小さなアップデートについても、パフォーマンス面での効果を確認することが出来ました。
残念な 1 日にとなってしまいましたが、この状況を予選と決勝で挽回するチャンスはあると考えています。 明日のセッションへドライバーをベストな状態で送り出すために、今夜もチームは懸命に作業を続けることになりますが、 明日はよりよい形で一日を終えるために全員で努力を重ねます。」