「決意に満ちた完ぺきなラップで、予選7番手を獲得」
バルセロナ・カタルニア・サーキット、5月13日(土)
午前中に行われたFP3では、両ドライバーともトラブルのないセッションとなり、限られた時間を最大限に活用することができました。2人とも予定通り走行プログラムを消化しながら、新しいアップグレードとセットアップに関する重要な評価を実施できました。フェルナンド・アロンソは16周を走行し、オプションタイヤで10番手のタイムをマーク。一 方、マシンのバランスをチューニングしている際にグリップ不足を訴えていたストフェル・バンドーンは、15周を走行し、19番手でセッションを終えました。
午後の予選では、昨日着実な走行を行ったバンドーンがベストなセットアップを見つけることができず、各マシンのタイム差がわずか0.2~0.3秒という非常に混戦となった中団グ ループから外れる結果となりました。バンドーンはQ2に進出することができず、予選19番手となりました。
一方、アロンソにとっては非常に前向きな予選セッションとなりました。昨日に実施したパワーユニットの交換が奏功し、ドライビングに大きな改善がありました。Q1では12番 手となり、Q2に進出。Q2では最終ラップでの果敢な走りで10番手に食い込み、McLaren-Hondaとして今シーズン初のQ3進出を果たしました。Q3では1回のみタイム計測を行い、 いつものアロンソらしい見事な走りでマシンの実力を最大限に引き出し、母国のファンの前で見事、予選7番手を獲得しました。
フェルナンド・アロンソ
#FA14
MCL32-03
FP3
10番手 1分22.093秒(トップとの差 +1.879秒) 16周
予選
Q1 12番手 1分22.015秒(オプションタイヤ)
Q2 10番手 1分21.251秒(オプションタイヤ)
Q3 7番手 1分21.048秒(オプションタイヤ)
「今日はすべてがうまく進み、あらゆることが期待以上の出来でした。昨日はあまりいいスタートが切れませんでしたが、今日の結果は今季のこれまでの予選結果を考えると、 当然のことながら非常にうれしい気持ちです。予選7番手というのは、事前に予想していなかったポジションです。
昨日はほとんど走行できませんでしたが、今日はマシンがかなりいい動きをしていて、アップグレードの効果も確認することができました。風が強く、難しいコンディションだったにもかかわらず、今日はすべてをうまくまとめることができ、マシンに対して自信を持てる一日になりました。そのおかげで予選ではプッシュすることが出来、0.1秒単位でラ ップタイムを削ることができました。
ここスペインのファンの皆さんからの熱い声援は、いつも私に大きな力を与えてくれます。ですので、接近した予選の中でもいいラップタイムを記録できたのは、皆さんのおかげだと思っています。
チームのメンバーは常に懸命に仕事をしてくれています。今日は彼らにもいい結果を届けることができました。我々が上位を目指すために、常に競い合うべきライバルチームのマシンに囲まれながら明日グリッドにつくのは、チーム全員にとって励みになります。
ただ、レース本番は明日であり、そこで結果を残してようやくポイントを獲得することができます。いいレース戦略を立てて、好スタートを切った上で、このポジションをできる限り維持できるように全力を尽くします」
ストフェル・バンドーン
#SV2
MCL32-04
FP3
19番手 1分22.853秒(トップとの差 +2.639秒) 15周
予選
Q1
19番手 1分22.532秒(オプションタイヤ)
「今日、自分になにが起こったのかが、まだきちんと整理できていません。昨日はマシンに対してかなりいい感触があり、自信を持てていました。パフォーマンスに関しても満足していたので、今日の予選でさらに前進するためにすべてが正しい方向に向かっていたと思います。Q2に進出するためのポテンシャルは確実にあったと思うので、昨日のいい流れを予選につなげられなかったことは残念です。昨日よりもパフォーマンスが少し下がったようですが、今のところ、その理由は分かっていません。今シーズンは開幕以来、全体的に難しいレースが続いていますが、明日は今日よりもよくしたいと思います。
今日は両セッションで少し苦しい戦いになりました。今夜データを分析し、今日なにが起こったのかを確認した上で、明日に向けてなにができるのかを考える必要があります。今回も週末に向けてスムーズなスタートを切ることができませんでしたが、一番大事なのは今ある問題を克服し、明日はスムーズな走りができるようにすることです。明日の目標は特にありませんが、問題なく、スムーズなレースをするのみです。レースでは戦略がかなり重要になると思うので、自分にできることを最大限トライするのみです。
今日の予選でフェルナンドがQ3に進出したことは、マシンの開発が正しい方向に向かっていることを意味します。現場にいる我々は、マシンをうまくまとめるようにするだけで す。現状を改善するために全員が集中して、できる限りプッシュしようとしています。今後数戦のうちに、さらなる改善が見られることを願っています」
エリック・ブーリエ
McLaren-Honda Racing Director
「ここバルセロナで午後に行われた母国グランプリの予選において、フェルナンドがすばらしい走りをみせ、明日のスペインGPに向けて7番手を獲得しました。本当にすばらしい の一言です!
一方でストフェルは、Q1でフェルナンドとのタイム差がそれほどあったわけではないものの(わずか0.2秒~0.3秒)、僅差でQ2進出を逃してしまいました。今日はマシンのバランスにあまり満足していなかったとストフェルが言っていましたので、これからデータで、その背景を確認しようと思います。今日の中団グループはあまりにも接戦でしたので、 例え僅差でも、Q1の通過が難しい状況になってしまいます。それでも我々はストフェルがどれだけいいドライバーなのかは分かっていますし、明日のレースに向けてセットアップを最適なものにするために、彼のエンジニアは今夜、ストフェルと力を合わせて精力的に仕事に取り組みます。
最後になりましたが、小さいながらも有効なアップデートを導入してくれたHondaに対して、よくやったと言わせてください。そのアップデートが今日のパフォーマンスの向上に貢献したことは明らかです」
長谷川 祐介
(株)本田技術研究所 主席研究員 F1プロジェクト総責任者
「まず、ホームグランプリを迎え、たくさんの熱狂的な観客の前ですばらしいパフォーマンスを見せてくれたフェルナンドに感謝したいと思います。昨日は難しい状況からのスタ ートとなりましたが、FP2とFP3の限られた時間を最大限有効に使いながらセッティングを煮詰め、今季初めてQ3に進出するとともに、7番グリッドを獲得してくれました。今日 の予選のセッションの中で見せてくれた彼の集中力の高さには感嘆の一言です。
フェルナンドのすばらしい仕事に加えて、PUに関しては、今回持ち込んだアップデートの効果を十分に確認することができました。PUのパフォーマンスを前進させることができたと思いますし、今日のセッション後にガレージ内のポジティブな空気を感じられたことはとてもよかったです。ただ、前を走るライバルとはまだ差があることは事実ですし、こ こで止まることなく開発を続けていかなくてはいけません。
ストフェルについてはマシンのベストバランスを見つけることに苦しみ、難しい一日になってしまいました。短いタイム差の中に多くのライバルが居並ぶ接戦の中で、明日は19番手からのスタートという残念な結果になってしまいました。
このあとも懸命な作業を続け、すばらしいファンの前で明日もいいレースをしたいですし、今季初のポイント獲得につなげたいと思います。」