カナダグランプリとジル・ヴィルヌーヴ・サーキットの為の時間だったと言える。フェラーリの偉大なるドライバーの名を冠するサーキット。彼は1982年ベルギーグランプリのフリー走行中に事故死した。チャンピオンシップを獲得していないにもかかわらず、彼の壮大なパフォーマンスはこのスポーツの歴史に名を残した。このサーキットは非常に高速で加速ゾーンと強いブレーキング・ゾーンがある。スタート地点のコース幅が狭いので常に困難だ。しかしこのサーキットで最も有名なポイントはチャンピオンにとって壁であり、シケイン入口から出口の13コーナーに罠が待ち構えている。この罠に嵌ると壁にクラッシュしてしまう。デイモン・ヒル(Damon Hill)、ジャック・ヴィルヌーヴ(Jacques Villeneuve)、ミハエル・シューマッハ(Michael Schumacher)ら歴代チャンピオンからこの名が付けられている。
メルセデス ・チームに有利なサーキット。アドバンテージは間違いなくルイス ・ハミルトンとチームに1-2フィニッシュを与えた。この英国人ドライバーは彼が決して忘れる事ができない週末を過ごした。土曜日に素晴らしいラップタイムを記録し、ポールポジションを獲得した。彼はポールを取った時点で負ける気がしなかった。この様に彼が崇拝するアイルトン・セナ(Ayrton Senna)とポールの数で並んだ。彼は2007年に勝利をつかんだこのサーキットで65回のポールポジションと云う途方も無い回数に達した。アイルトン・セナの家族は彼にセナのレプリカヘルメットを渡した。
メルセデス ・チームは、彼らが二度と失敗しないという事を知っていた。彼らはポイントランキング1位のドイツ人ドライバー、セバスチャン・ベッテル(Sebastian Vettel)を追い詰める必要があった。今回は失敗しただけでなく、運にも見放された。最初、フェルスタッペン(Verstappen) はベッテル(Vettel) を追い越した 。そして、ベッテルはフェルスタッペンと接触してフロントウィングに穴をあけ、交換する事を余儀なくされた。しかし、それはスタートでの唯一の事故ではなかった、カルロス・サインツ(Carlos Sainz)は彼を追い抜こうとしているグロージャン(Grosjean)のマシンに接触し、マッサ(Massa)と共にクラッシュし、両者リタイアとなった。
レースのペースをよく耐えてきたチーム・フォース・インディアは驚くべきことをした。 彼らはレース終了時に素晴らしいショーを演じた。 セルジオ・ペレス(Sergio Perez)とエステバン・オコン(Esteban Ocon)はリカルド(Ricciardo)の3位を脅かした。 彼らは互いに表彰台を狙ったが、ハミルトン(Hamilton)を追い詰めるベッテル(Vettel)の偉大なペースには及ばなかった。
レースを残り2周としたところでホンダ・エンジンは再び失敗してしまった。ポイント圏内の10番手フェルナンド・アロンソ(Fernando Alonso)のホンダ・エンジンが再び故障したのだ。危機的状況が始まった。スペイン人ドライバーはチームの中に残ることチームがを望むならばと最後通告を与えた。ホンダが速やかに対処しなければマクラーレンは他のオプションを考慮し始める。当面の間、アソンソ(Alonso)はバクーのグリッド(アゼルバイジャンGP)に立つだろう。もう一つのエンジンの変更と、より大きなアップデート、MGUHの進化が急務だ。