> スーパー耐久チームとドライバーたちはホームで活躍
> 富士でも更なる日本からのエントリーが
Blancpain GT Series Asiaのスポット・エントリーの日本チーム、ARN Racing、CarGuy RacingそしてD’station Racingは大健闘の鈴鹿でのデビューを飾り、8月の富士での 次戦に備えることになった。
既に25台を超えるフル・シーズン・エントリーの車両が今大会も有力であることには変わりはないが、シリーズ・オーガナイザーであるSROモータースポーツ・グループは、各大会の開催地の実力チームやドライバーが、海外各地で開催されるこのシリーズに参加することで、世界に認知されたBOPや、他の地域のチーム、ドライバー相手に鎬を削る機会を提供できる、と考えてきた。こうした試みは既にマレーシア、タイでも成功しており、鈴鹿で開催された第5、第6戦においては日本から3つのスーパー耐久参戦チームと既にレギュラー参戦しているKCMGからGT4ドライバーの井田雅彦選手が参戦する運びとなった。
今回参戦となったチームとドライバーたちは、その速さとプロ意識の高さで、誰もが注目する存在となったが、特にARN Racingのフェラーリのドライバー、永井宏明選手と佐々木孝太選手はシリーズのレギュラー・チームのトップ・ランナーたちを脅かすだけの大健闘を見せた。
目を引くメタリック・マルーン色の488 GT3は、佐々木の好走もあってプラクティス3では全体のトップ・タイムを記録し、永井も予選6番手のタイムを出し、第1レースではPro-Amクラスで第2位、総合でも6位に入る結果を残した。日曜日に行われた第2レースでも、序盤の接触によるダメージが原因のパンクによって、更なる結果の達成こそかなわなかったが、佐々木がファステストラップを記録して一矢を報いることができた。
木村武史選手とケイ・コッツォリーノ選手の CarGuy Racingのランボルギーニ・ウラカン GT3は第2レース、総合12位でフィニッシュし、星野聡と荒聖治選手のD’station Racing ポルシェ 991 GT3 Rは緒戦こそ苦戦を強いられたものの、第2戦は総合18位のフィニッシュで終えた。
KCMGからエントリーのアウディ R8 LMS GT3は竹田直人選手と白坂卓也選手のドライブで、これまで2017年のBlancpain GT Series Asiaの全てのラウンドに参加し、第1戦ではアマチュア・カップの表彰台に上がった。同様に、HubAuto Racing ポルシェ・ケイマンGT4 Clubsport MRの井田もピットストップ違反でペナルティを受けるまで、クラス優勝に手が届くところにいた。
ARN Racing、CarGuy RacingそしてD’station Racingに加え、8月19-20日に開催される富士ラウンドには少なくとも1チームの参戦が近々発表となる。まだまだ新規参戦は可能で、日本チームにはBlancpain GT Series Asiaの精鋭たちへの戦いを挑む機会がある。SROモータースポーツ・グループでは、鈴鹿において日本人ドライバーたちに別途ドライバー・ブリーフィングを行ったり、書面によるコミュニケーション、プレス・リリースなどの日本語で提供を行ったりするなど、便宜を図ってきた。同様のサービスは2か月後の大会でも行われる予定である。
永井宏明 ARN Racing #28: 2週間前、鈴鹿サーキットで開催されたスーパー耐久に参加しており、車両のデータはあったのですが、ピレリタイヤは(このレースウィークが)初めてでデータが全くありませんでした。3回のフリー走行で徐々に感触を掴むことができ、第1レースは接戦ながらもPRO/AMクラス2位、第2戦は接触が原因で惜しくも完走はできませんでしたが、ベストラップを記録することができました。
Blancpain GT Series Asiaは、みなさんとてもフレンドリーで、レベルも高いので楽しくレースすることができました。
次戦の富士スピードウェイは、私も佐々木選手も走り込んだサーキットなので、PRO/AMクラスで優勝と総合優勝も狙っていきます。
ケイ・コッツォリーノ CarGuy Racing #777: 今回はCARGUY RACINGとして初の海外レース参戦になりました。いつも走り慣れている鈴鹿サーキットではありましたが、やはりフルシーズン参戦をしている海外ワークスチームに大きなタイム差をつけられました。
我々が苦戦した1番の理由は初めてピレリタイヤを装着した事です。事前テストもすることができなかっため全てをぶっつけ本番でやるしかありませんでした。結果的に中々良いセットアップ見つけ出す事ができないまま、終わってしまいました。
鈴鹿で得た貴重なデータを元に、マシーンとチームオペレーションを改善すれば、富士は鈴鹿よりも上位を狙えると思います。
ドライバーとしても鈴鹿で学んだ予選のアタックの仕方やレースのマネジメントを生かして、富士ではいいレースをしたいと思います。
チャンピオンシップ・マネージャー、ベンジャミン・フラナソヴィツィ: 「日本のチームとドライバーには、先週末、気兼ねなくレースに参加してほしいと思っていたので、前向きな反応を得られて、私たちが目指したことが間違いでないことを知り、とてもうれしく思っています。スポット参戦のチーム、殊にARN Racingのドライバーたちは地元から参戦したチームが、単発であっても、シーズンをレギュラーで戦っているドライバーに十分戦いを挑むことができることを証明しました。この後、8月19-20日に富士スピードウェイで開催されるラウンドでも、更なるチームが参戦してくれることを心から待ち望んでいます。