日本チーム、CarGuy Racingのコッツォリーノと横溝が富士で地元勝利を飾る

 LamborghiniがCraft-Bamboo Porsche に1.4秒差で勝利。
Clearwater RacingのスンとウィーがMcLarenにデビュー・ウィンをもたらす。

CarGuy Racingのケイ・コッツォリーノと横溝直樹が初開催の Blancpain GT Series Asia富士のレースでCraft-Bamboo Racingのニック・フォスターとデヴォン・モデルを抑えて勝利を飾り、ハンター・アボットはGruppeMのチーム・メイトであるマキシー・ビュークと共にチャンピオンシップ・リーダーとしてのギャップを更に広げることになった。

GT4クラスのClearwater Racingは、車両の交換が功を奏し、モック・ウェン・スンとリチャード・ウィーが見事、McLaren 570S GT4にデビュー戦での勝利をもたらした。

GT3: レギュラー陣を破ったCARGUYが LAMBORGHINIにシリーズ初勝利をもたらす。

Blancpain GT Series Asia参戦2戦目でのコッツォリーノと横溝の勝利は、レース序盤での混乱をうまく回避し、その後も安定してトラブルなく走行をつづけたことが大きな要因だった。

通常、日本のスーパー耐久シリーズに参戦するLamborghiniは3番手スタートながら、ポール・シッター、フォスターが同じくフロント・ローのマーチー・リーのAudi Hong Kong R8 LMS、そしてアウト側からポジションを狙っていたリノ・マストロナルディとの1コーナーでの接触によってダメージを受ける中、インのラインをキープして、前車3台が1コーナーでワイドに出たことでうまく前に出ることができた。

その後、マーティン・コドリックにうまく詰め寄ると、6番手から4つポジションを上げ、山野直也のTeam EBIのPorscheの背後に迫った。レース・スタートから25分経過し、ピット・ウィンドウ・オープンの時間になると、黄色いウラカンは追従する車両から6秒、車両を引き継いだ横溝にとって、十分な余裕をもって周回するのに足る差となっていた。

前戦の好成績に基づいてピットストップが7秒加算されるサクセス・ペナルティが科されたコドリックとVSRのコ・ドライバー、サンディ・ストゥヴィックは、フォスターの健闘で好ポジションにつけたモデルに対し、ドライバー交代後に順位を明け渡し、3番手に降格した。Craft-Bamboo Porscheも1コーナーでの混乱の後に8番手に落ちたがその後盛り返し、ピットストップのタイミングを後半にずらしたのが功を奏し、2位につけた。

モデルはその後、横溝との差を何とか詰めようと迫ったが、ビュークのGruppeM Mercedes-AMGの急激な追い上げに煽られることになった。アボットの盛りだくさんのオープニングラップは5番手から3番手までポジションを戻し、冷えたタイヤでのオーバーランで再び6番手に落ち、鈴鹿での勝利から10秒のサクセス・ペナルティがつき、ドライバーには更に負担がかかることになった。それでも、元Blancpain GT Seriesのチャンピオンは困難に立ち向かい、後半30分を果敢に戦った。

ビュークはARN Racingの佐々木孝太とBBTのダヴィデ・リゾを同一周回で交わすと、残り6分でストゥーヴィクを追い抜いて3位に入った。モデルは安定の2位を確保したかに見えたが、チェッカー・フラッグ時にマージンは0.9秒だった。

ストゥーヴィクが7秒後方に続き、GruppeMの2台目のMercedes-AMGでティム・サグデンと組むジュールズ・シムコウィアックが第2スティントでの健闘が実り5位フィニッシュとなった。BBTのリゾとアンソニー・リウは10番グリッドからのスタートから、1コーナーでの混乱に乗じて6位までポジションを回復し、山野と坂本祐也はスポット参戦による7秒のピットストップ・ペナルティに苦しみ、3番手から7位フィニッシュという結果になった。

他に顕著な日本勢の活躍としては、D’station Racingの 星野敏と荒聖治がFFF Racing Teamの1号車、エイダン・リードとアルベルト・デ・フォルコのLamborghiniとダリル・オーヤングとピーター・リのCraft-Bamboo Porscheを凌ぎ、トップ8でのフィニッシュを飾った。

他にも上位勢には波乱が続き、リーが1コーナーでの接触がもとでピットインを強いられ、その連鎖はリノ・マストロナルディやSpirit of Raceの2台目のFerrariをドライブするジアン・シンにも続いた。OD RacingのAudiでポイント・ランキング3位につくアディティヤ・パテルは」1周目のスピンが祟って最後尾まで落ちたが、11位でレースを終えた。より不運だったのは ARN RacingのFerrariで、6位以内をキープしながら残り5分でパンクチャーのために戦線を離脱した。

X-One Racingから単独で参戦のアンドリュー・ハリアントはAmカップのライバルでチャンピオンシップ・リーダーの白坂卓也と竹田直人組のトラブルに助けられる結果となった。

GT4: CRAFT-BAMBOOのペナルティがMcLARENに勝利をもたらす。

モック・ウェン・スンとリチャード・ウィーはMcLarenに Blancpain GT Series AsiaのGT4デビュー勝利をもたらしたが、Craft-Bamboo Racingのピットストップ・ペナルティがなければ、異なる展開になっていたかもしれない。

ウェン・スンはピットストップ時間が足りずに1秒のピットストップ・ペナルティを受けたジャン・マルク・マーリンから44秒前にチェッカーを受け、チャンピオンシップ・リーダーのEKS Motorsports Porscheに詰め寄ったが、自身の黄旗中の追い越しによって表彰台の権利を失った。

ポール・シッターのウィーと、マーリンのパートナー、フランク・ユーは序盤に主導争いを繰り広げたが、ピットストップの頃にはPorscheがリードを奪った。しかし、その後マーリンがピットインすると、McLarenは順当に順位を上げ、トップを奪い返した。

クルマを引き継いだフランス人ドライバーはすぐにEKSのエリック・ローとHubAutoのリンゴ・チョン との表彰台最後の一席のバトルを開始した。3台はレース終盤まで争いを続け、ようやくマーリンが抜け出すと、ギャップを広げ、2.8秒差をつけてチャンピオンシップ・リーダーのローとバイロン・トンの前でフィニッシュした。レース後、ローとトンは4位まで順位を下げることになった。

チョンとパートナーのザン・カンは更に1.1秒後方だったが、ローとトンに30秒のペナルティが加算された結果、表彰台の最後の1席を獲得し、Taiwan Top Speed とTTR Team SARDも同様に黄旗中の追い越しによって30秒ペナルティを受けた結果、順位を落としつつもトップ6でフィニッシュした。

明日の1時間レースのスタート時間は14:25。選手権のFacebookページやウェブサイト、SROのGT World Youtube channelでお楽しみください。

ドライバーのコメント:

ケイ・コッツォリーノ #777 CarGuy Racing Lamborghini Huracan GT3: 「富士のことはよくわかっているし、1周目の1コーナーのイン側が滑りやすいことも知っていました。でもPorscheとAudiがワイドになった時、僕は自分のラインをキープしようと心掛けて、それだけでトップに立つには十分でした。その後、Audiとの接触もあり、それで僕のスティントの後半にスロー・パンクチャーには悩まされましたが、幸い、ちょうどピット・ウィンドウがオープンになるタイミングだったので、何とか間に合わせることができました。もっと参戦したいと思っていますし、今日の勝利でそれにつながることになればいいと思っています。すべてがうまくかみ合えば、絶対に勝てるということを証明できたと思います。」

フランク・ユー #77 Craft-Bamboo Racing Porsche Cayman GT4 Clubsport MR: 「3番手スタートでしたが、1周目のGT3勢の混乱を利用して ポジションを上げることができました。リッチー(・ウィー)のインにつき、彼が僕の前に出て、僕が彼の前にもう一度出て、そしたらまた別のインシデントが起きていました。3周は抑えることできましたが、McLarenのペースが速すぎて、ついに抜かれてしまいました。それからは、彼のピットストップ・ペナルティのことを知っていたので、何とか7秒差内につけていようと思っていました。複雑なピットのタイミングに振り回され、ストップ時間が1秒足りませんでした。それでも、ジャン・マルク(・マーリン)が頑張ってくれたので本当に良かったです。」