ストフェル・バンドーンのインタビュー

APJは幸運にも、ストフェル・バンドーンへのシーズン前最後の独占インタビューに成功した。彼は2017年、マクラーレンホンダからF1にフルシーズン参戦する。2017年シーズンのF1ドライバーに決定していた彼は私たちの前で非常に興奮していた。しかし、私たちはおそらくマクラーレンにとって今シーズンは非常に苦労の年となると感じていた。


“マクラーレンホンダが何か魔法を見つけてくれることを望んでいます”

APJ:
こんにちは、ストフェル。私たちに時間をとってくれてありがとうございます。
今週末はスーパーフォーミュラでのあなたの最後のレースですね。これからあなたにとって新しいチャレンジが待っていますが、日本で過ごした時間はどうでしたか?

 

ストフェル・バンドーン:
日本で過ごした時間は実際、とてもよかったです。ヨーロッパから来て日本でレースをし、またレースだけではなく日本の文化を発見するのは全く新しい経験だったと思います。そして、ホンダとの関係を築いていくことは私にとって本当に良いことでした。リザルトは、私にとってベストの年ではなかったかもしれませんが、それでもポジティブに受け止めています。ご存知のようにポールポジションや入賞、表彰台を獲得し、私達はシーズン最後のレースまで優勝を狙っています。今年は自分としては良いシーズンだったと思います。
2017年のF1へ参戦するための準備であり、F1のシートを獲得することに焦点をあて、そして、シミュレーターでマクラーレンと全てのグランプリの勉強を一生懸命しました。日本のレースプログラムは険しいものでしたが、それでも間違いなく私にとって良い経験でした。私はこのチャンピオンシップに出場できたことをとてもうれしく思います。

APJ:
日本では何が一番気に入りましたか?

 

ストフェル・バンドーン:
食べ物です (ホンダより、「えッ本当?」と質問あり)。印象は面白かった。
日本はどこからも遠く離れています。私がここに来る最後の時だから少し悲しい気持ちですが、F 1という次のステップへ進んでいるので、幸せな気持ちです。ここにはたくさんの事がありますし、寂しくなると思います。レース、車、もちろん食べ物も良かったと思います。私はここでも素晴らしい友達も作れたと思います。 間違いなく私にとって良い年でした。

APJ:
初のF1フルシーズン参戦に対してどのように準備していますか?

 

ストフェル・バンドーン:
今のところ、全て順調に進んでいます。シーズンの開幕以来、すべてのグランプリに行ってきました。発表以来、エンジニア、マクラーレン・ホンダのマネージャーと以前より多くの時間を過ごしました。スーパー・フォーミュラのシーズンが終わり、F1 シーズンに近づくにつれて、エンジニアと工場内で、そして社内の様々な部署と一緒に、より多くの時間を過ごしていく予定です。実際に車の開発が来年に向けてどのように進んでいるかを見ていきます。そして、シュミュレーターでもう少し時間をかけて次のシーズンに向けて車を開発しようとしています。新しい役割に慣れてきました。数年前からチームの全員を知っていたので一緒にいることも普通だと感じています。 私はジェンソンとフェルナンドが昨年したものと同じ準備をしています。しかし唯一の違いは多くのレースに出場しなかったことです。今はようやく車に踏み込んでいます。

APJ:
チームメイトは、F1で最も経験豊富で才能のあるドライバーの1人であるフェルナンド・アロンソですが、あなたに何かプレッシャーがありますか?

 

ストフェル・バンドーン:
いいえ。彼は2連覇したチャンピオンであり、誰もが彼の才能と素晴らしいドライバーであることを知っているので、チームメイトがフェルナンドだというのは良い事だと思いますし、彼から多くを学ぶことができると思います。今シーズンも、彼とジェンソンから多くのことを学んできました。来年はチームメイトとして迎えることができればいいと思います。もしフェルナンドに対して良いことができれば、自分自身のキャリアにとっても良いでしょう。

APJ:
ジェンソン・バトンは2018年まで契約を結んでいますが、2017年以降もシートを獲得するために自身の目標を設定しましたか?

 

ストフェル・バンドーン:
いいえ、現在はあまりそのことに対して考えてはいないです。F1、最初のシーズンの準備し、私ができるのはベストを尽くすことだけです。ただベストを尽くします。過去数年にわたり、すべてのシリーズでベストを尽くしてきました。現時点での結果は私たちの望む結果ではないので、チームとして、全員が協力しトップに戻る必要があります。 そして最優先事項は、勝つためにチーム全員が一生懸命になることです。

APJ:
シーズンが始まる前にシミュレーターで練習する時間がありますか?

 

ストフェル・バンドーン:
はい。私は多くの時間をシュミュレーターに費やしました。しかし、今はF1レースで常に転戦しているのでシュミレーターに時間はありませんが、この冬は時間が取れると思います。

APJ:
マクラーレン・ホンダはレース毎に成長し、フェルナンド・アロンソはUSGPで5位を獲得しましたが、2017年にチャンピオンシップで戦うことができると思いますか?

 

ストフェル・バンドーン:
それに対して答えるのはかなり難しいし、早過ぎると思います。今年の私たちはまだ目標には遠いです。しかし、私たちはここ1年半にわたって多くの進歩を遂げてきました。マクラーレン・ホンダが再びスタートした当初は困難なことばかりでした。結果は良いものではなかったですが、最後のレースは私たちにとっては前向きなものでした。それはトップへの道のりであり、上手くいけば、来年の新しいレギュレーションによって、ギャップを埋めることができ、前進するチャンスになります。 多くのことが変化していますが、それはまだ漠然としていて決まっていません。 最初のテストまで待ち、誰が優れたパフォーマンスを発揮しているかを見なければならないと思います。 しかし、私たちにとって間違いなくチャンスだと思っています。来年、私たちは目標に一歩近づくことを願っています。

APJ:
来年の個人的な目標は何ですか?

 

ストフェル・バンドーン:
現時点で個人的な目標を設定することは非常に難しいです。私はいつものように努力し、チームと一緒にできる最高の仕事をしようとしています。結果に関しては、何が可能になるのかは発言するのは難しいです。 私が言ったように、F1では多くのことが変化しています。 私はチームを前進させることに焦点を当てています。

APJ:
2017年のF1のルール変更についてどう思いますか?

 

ストフェル・バンドーン:
来年は、レギュレーション変更が非常に大きなステップになるでしょう。車はより速くなり、ドライバーにとって良い変更になりそうです。レギュレーションの変更が起こるたびに、グリッドに大きな変化があり、誰が速くなるのか分かりません。または、自分達の車で何か特別なものを見つけて再び優勝できないチームがあれば、今知る事は難しいです。 私の希望は、マクラーレン・ホンダが何か魔法を見つけて、前線に戻ることです。物事が変化することは良いことだと思っています。どんな車になるのか、楽しみにしています。

APJ:
F1でルールを1つ変えることができたら、あなたは何を変えますか?

 

ストフェル・バンドーン:
それは非常に難しい質問ですね(笑)。よく考えないと…本当に。

APJ:
新しいタイヤはあなたにとって大きなチャレンジになりますか?

 

ストフェル・バンドーン:
それは確実にチャレンジになります。タイヤの変更は大きいですが、最終的にピレリのタイヤになります。私はGP2からのピレリで多くの経験があり、F1の車でもテストしています。現時点では、私は実際にタイヤがどうなるのか分かりません。実際にタイヤをテストした他のドライバーがいますので、おそらくその質問を私にするのは間違っているかもしれません。(質問:チャンスはなかったのですか?)いいえ、他のドライバーの方が、おそらくタイヤがどのようなものになるかより良いヴィジョンがあると思います。

APJ:
2017年には21回のレースが開催されますが、1シーズンでは多すぎませんか?

 

ストフェル・バンドーン:
大丈夫です(笑)。

APJ:
ハロとコックピットの安全についてどう思いますか?

 

ストフェル・バンドーン:
まあ、私はFIAが間違いなくコックピットの安全性を改善するために良い仕事をしていると思います。ハロデバイスは、私たちがかなりの時間を探していたものです。 来年は車に装着できませんが、2018年には絶対に装着したいと思っています。現時点では、私たちがハロの良い点と悪い点を評価し、このシステムの改善しようとしているところです。 たぶん数ヶ月のうちに、FIAは別のシステムを出してくるでしょう…レースをより安全にするデバイスを断ることはできないでしょう。

APJ:
レーシングドライバーにならなかったら、今何をしていますか?


ストフェル・バンドーン:
分からない。子供の頃からレースをしていたので難しいですね。私はレース以外本当になんにも知らないです。たぶんビジネスマンかな。


ファンとのひととき

APJ:
レースをしていないときは何をしていますか? プライベートタイムは、どのように楽しんでいますか?

 

ストフェル・バンドーン:
ゆっくりしたり、友達と遊びに行ったりします。レースは多くの時間を消費するスポーツで、F1レースは日本でも開催しています。 友人や家族と過ごす機会はあまりありません。 だから、私にとっては、家に帰った時に友人や家族と触れ合う事が最も重要です。